ゆっくり長く
由布暮らし
― ３年間の協力隊活動 ―
こんにちは。地域おこし協力隊の岡田です。
東京から由布に移住してきて３年が経とうとしています。
この３年間地域おこし協力隊として、移住定住や空き家バンクの担当として活動してきました。東京にいた頃には体験したことがない仕事や暮らしをしながら、様々な方との
出会いのある３年間でした。 協力隊の仕事柄、様々な地域の方へインタビューをさせていただいたり、様々な場所を訪れ由布の魅力に触れることができました。移住したてのころよりも由布のことが好きになり、今後もここで暮らしていきたいなと思っています。
― 由布での布づくり ―
由布へ移住した理由の１つとして、「自分が好きだなと思える自然豊かな場所で、ものづくりをしたい」という想いがありました。今後はそれに向けて、由布の豊かな自然素材を生かし布の制作をしていきたいと思っています。
由布は地名に“布”という漢字が使われています。昔、由布岳付近に自生していた楮（こうぞ）をつかい織られていた“木綿”（読み仮名「ゆふ」と書いて「ゆう」と読んでいたとか…）という布から地名がついたのではという文献を読んだことがあります。 いま由布は布の産地になっているという訳ではないのですが、そういった歴史や環境があった場所であり、“布”がつく地名でもあり、布好きの私としてはそんな場所で布を織るなんて「幸せ！」とワクワクしています。
― 布との出会い ―
由布に移住する前のことを少し書かせていただきます。
布との出会いは１０年程前。いつの間にか布をつくるということに心惹かれ、大学で染織を学びました。 卒業後はアパレル会社に入り、様々な布製品に触れてきました。なにより素材を大切にしていたブランドで、様々な種類の綿の糸や野山に生息する蚕の糸などに初めて触れて、素材や糸の面白さに惹かれていきました。そのブランドで働いていた時に、インドへ染織の研修旅行に行き、糸づくりや染めもの、織りもの、刺繍などインドの方々の手仕事を見る機会も得られ、人の手でつくられる布の世界への興味が深まりました。
― 布づくりの素材 ―
布をつくる糸の素材として、大きく２種類の素材を使っています。
１つ目は、自分の暮らす土地で育てたり、採取したりした素材です。 由布では広大な土地を借りているので（広大すぎて地域の方のご協力なしには管理できていません…ご近所のみなさんに本当に感謝です！）、少しずつですが棉花を育てたり、藍染めの染料になる藍の葉を育てたりしています。
また近所の方から渋柿をいただいて、柿渋染めの染料をつくり染めものをしたりしています。夏には青い渋柿を集めているので、干し柿にせずに渋柿が余っている方はぜひ教えていただきたいです！
由布にはまだまだ糸になる自然素材がたくさんあります。
苧麻（ちょま）、葛（くず）、楮（こうぞ）… 植物の繊維を採取して糸をつくることはとても時間のかかる作業ですが、ゆくゆくは由布で採取した植物繊維を糸にして織りこんでいきたいと思っています。
そして、もう１つ使っている素材として、世界各地特有の風土から得られる素材です。
日本には生息しない蚕や羊などから生まれる美しく魅力的な糸を織り込んでいます。今はそうした海外の糸を日本の糸屋さんから購入していますが、いつかはインドやイギリス、オーストラリアなどへ自分で赴き、現地で素材や糸の調達をすることが１つの夢です。
― 由布での布の展示 ―
７月に３年間活動させていただいた地域おこし協力隊を退任します。今後は布づくりを通して由布の環境や歴史に触れ、由布の外へも伝えていきたいと思っています。
今月、今までの協力隊の活動報告と布の展示を行います。協力隊のこと、由布で感じたこと、布のことなどお伝えしたいなと思いますので、もしご興味がある方はぜひいらしてください。
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伝えたい由布のもの展－由布のこと 由布で織る布－
２０２３年７月１３日（木）～１８日（火）
１０：００～１６：３０
CAFE LA RUCHE Gallery
〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上1592-1 ２Ｆ
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３年間の協力隊の間、お世話になったみなさまありがとうございました！ そして、今後ともどうぞよろしくお願いします。
岡田 鹿乃子 Okada Kanoko
地域おこし協力隊（移住・定住担当） 東京都三鷹市生まれ。大学で染織を学び、アパレル業界で販売やお店作りに携わる。子供の頃から祖父母の住む大分を毎年訪れており、大分が大好き。自然豊かな場所でものづくりをしたいと思い、由布市へ移住。
■Instagram：https://www.instagram.com/yufu_okoshi/?hI=ja
