由布日記 由布の人の日々の暮らしについて
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2023年8月28日

「ゆのひらん日記」

written by C.Oさん

由布に移住してはや1年が経ちました。

これから住まいも湯平温泉に移し拠点づくりをする予定なのですが、期待にワクワク期待の声にドキドキ・・・そんな心境で過ごしています。今後は湯平のいち住民としての視点で発信出来たり、新しい発見もあるのかなと楽しみにしています。

今日は、地域の方が残されている文献をもとに湯平の歴史について少し触れたいと思います。先人から地域に残された貴重な文献~全3巻「湯平郷土史」~によるとなんと“縄文時代”に湯平の田伏地区から多数の縄文土器・石器が発掘されています。なぜここに縄文人?ですが、ここ湯平が縄文文化から始まっていると考えると浪漫があります。

湯平温泉の開湯は約800年前ですが史料でも室町時代には温泉が存在していたそうで、木こりが湯に入って傷を治しているお猿さんを発見したという開湯伝説があります。また、あまりにも泉質・効能がすごいのできっと金脈があると信じられていた金脈伝説もあり、発掘の跡も残っているそうです。

湯平はこれまで大火事や山津波などいくつもの災害を乗り越えては復活してきました。

湯平を歩く面白さは、その歴史に触れられたり謎や不思議発見があったりと探求心をそそられる道が多いこと。明治時代に歴史を記す古文書が大火事で消失してしまったために、その歴史をたどるには地域の長老か物知りさんに伺うしか方法がありませんが、地域の方に教えてもらって謎が解明できたり、新たな発見があったりするのも秘かな楽しみです。江戸中期に山津波(土石流)が襲ったことで、不可能を可能にする男といわれた工藤三助さんが病魔退散の祈りを込めて立ち上がり、地元住民たちを従え花合野川の石を用いて道を敷きました。これが現在でも湯平温泉のシンボルとして残っている湯平の石畳です。

映画「すずめの戸締り」に登場していると言われている湯平温泉ですが、新海誠監督の作品には“メッセージ”が含まれている気がしました。これまでの過去を受け入れ=戸締りし、自然のありがたさや自然災害とも共存して新しく生きていこうという新海監督の湯平へのエールなのではと(勝手に妄想)。

すずめの戸締りに出ているとされる風景
2020年ゆのひらに突如現れた滝

全盛期の湯平温泉街は大正14,15年~昭和初期「西の横綱」として名を馳せた時代です。

昔は、あの温泉街の中にありとあらゆるお店があったそうで、すべてが揃っていたそうです。魚屋さん、肉屋さん、百貨店、劇場、映画館、下駄工場、製材所、キャバレー、スナック、パチンコ店、ビリヤード、なんと遊園地まで・・・全盛期時代の様子を見てみたかったなぁ~と、心底思います(映画を作ってくれないでしょうか!)。

参考資料:2003年石畳・浪漫プロジェクト 「湯平グラフティ」昭和30年代の原風景より

「歴史は繰り返す」といわれますが、全盛期だった頃は今よりも遥かに

・交通は不便

・テレビも携帯電話もない

・SNSもない

時代でした。でも全国各地から「遠路はるばる」「わざわざ」来ていたのです。天下の名湯という最大の理由もありますが「わざわざ」くる価値を持った湯平の魅力を再認識すること、自然の恩恵に感謝して過ごしながら価値を再発見できれば、復興までの道はそう遠くないのでは?と思ったりします。

さて、9月14日(木)・15日(金)に昔ながらの地元のお祭り「白熊まつり」が数年ぶりに復活します(http://www.yunohira-onsen.jp/event/222.html)。

インターネット上でしか見たことありませんが、とても荘厳で地域の皆さんの結束力に感動します。今年は初めて湯平住民として見れるので楽しみです(ゆのひらんプロジェクトインスタグラムにて東京⇔湯平を繋いで配信予定です!)。

地域で永年受け継がれてきた共同温泉でのお接待
ふれあいホール下、2020年豪雨で流されてしまった砂湯。一度入ってみたかった!

C.O

2022年にUターンし8月から湯平地域おこし協力隊に着任。湯布院庁舎地域振興課所属。 温泉、自然、海の幸山の幸を食べること、映画「男はつらいよ」の寅さんが好き。

■Instagram:https://www.instagram.com/yunohiranp/

■note:https://note.com/yunohiranp

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