インタビュー 由布市で暮らす人の声

2023年3月3日

理想の土地が見つかり、由布市へ移住

interview with 護得久さん
名前護得久晋一郎さん(ごえくしんいちろう)・39歳    
笑子さん(えみこ)・43歳           
咲人くん(さきと)・10歳           
晴紀くん(はるき)・8歳           
ほのかちゃん・3歳
移住前の住まい沖縄県
移住時期2022年4月
職業晋一郎さん 自然栽培による多品目野菜の栽培
笑子さん シンギング・リン セラピスト・パフォーマー

豊かな自然環境の沖縄県を離れ、由布市に移住された護得久さんご一家。

ご家族5人で移住され、それぞれの想いをかたちにしながら由布暮らしをはじめられていました。
そんな護得久さんご一家に移住についてのお話を伺いました。

〇由布市への移住のきっかけを教えてください

晋一郎さん:前の会社を辞めて次の仕事を考えたときに、教育に携わりたいと思いました。それも紙と えんぴつをつかったものではない、体験をともなう教育がいいなと。その手段として農業をやりたいと 思うようになりました。農業をやると考えた時に沖縄だけでなく九州、四国あたりまでのエリアで 土地を探しました。その中で大分は前職で2年勤務していて、妻とも大分で過ごした時に海の幸、 山の幸、食べ物がおいしいし、人も温かいし、いいところだねと話していました。 大分県のいくつかの市町村に新規就農者が借りられる農地があるか問い合わせをしたところ、遊休農地のリストがあったのが大分市と由布市でした。由布市には農業をしている先輩がいましたし、 紹介してもらった由布市の畑をはじめて見た時の印象がすごく良かったんです。育苗用のハウスが あって、 周りの畑とも離れていたので、やりたいと考えていた自然栽培ができそうだと思い移住先を 由布市に決めました。 

笑子さん:農業と聞いて驚きました。お花や野菜を育てるようなこともなかったから。でも嬉しかった。 前の仕事は忙しくて休みなく働いていて、完璧に仕事をやるような人だからいつ休むのかなと 思っていました。会社を辞めて農業をやるとなって、もう少し家族の時間も持てるかなと思いました。

晋一郎さん:沖縄では自然農法の塾と自然栽培をしている農業法人で基礎的なことを教えて頂きました。 沖縄の温暖な気候でやる農業も魅力的ですが、より四季を感じられる場所で農業をやりたかったんです。 特に大根や白菜などの冬野菜が好きだから、そういった野菜を寒い中で育ててみたいと思っていました。 生まれと育ちは埼玉なので、食のルーツは関東にあるのだと思います。

〇移住前に大変だったことはありますか

晋一郎さん:お互いに大分の豊かさや四季のある農業や暮らしを求めていたので大分移住の想いが 一致しました。特別困難なことはありませんでした。 畑からは離れているけど、子どもたちが歩いて小学校に通える場所に住むことにしました。

笑子さん:末娘が生まれて大変だった時に、夫と別々で生活していたことがありました。夫は毎日子ども の世話をしに夕方帰ってきて、夜自分のアパートに戻る、という暮らしです。退職や就農の話が出た時 には、二人でやり直そうと決めていたので、迷いはありませんでした。でも、実際に大分で生活して みると、5歳から慣れ親しんだ沖縄の色鮮やかな海や空を見たくなるし、やはり両親や友人に会いたく なります。

〇 移住後はどのような暮らしをしていますか

晋一郎さん:畑を4月中旬から借りて、農薬や肥料を一切使わずに栽培する自然栽培で多品目の野菜を 育てています。野菜の種はできるだけ消毒されていない固定種の種を使っています。  自然栽培を選んだのも、子どもが畑に体験にきたら、自分でもいで食べてもらうということをして もらいたかったからです。スーパーに並んでいる野菜や料理されて出てくる野菜は見たことがあっても、実際に実がなっているところとか、野菜の葉や花を見たことがないっていう子もいると思うんです。 私も子どもの頃はそうでしたし。畑に来て、鈴なりのトマトとかキュウリのちっちゃなトゲとか、 ジャガイモやオクラの花とか、とにかくいろいろな発見をしてもらいたいです。 食の安全安心と言われますが、安全は生産者から発信する部分ですが、安心は消費者が 感じるもの。 「自然栽培で農薬も肥料も何も使っていないから食べてみて」と伝えて、安心して畑で野菜を かじる体験を提供できたらいいなと思っています。

笑子さん:今は主にお家のこと、子どものことをしています。シンギング・リン(*)セラピーや 音浴会を大分でも始めていきたいです。

私はもともと健康で幸せに生きることに興味があり、保健師や養護教諭を仕事にしてきました。 でも、自分の気持ちを後回しにしていたので、勉強だったり、仕事や育児だったり、いろんなことを 頑張りすぎてよく体調を崩していました。結果、夫や子どもに負担をかけ、幸せとは程遠い状態でした。 生きる意味や真実を探求するようになり、「考えるよりも感じたい」「今ここを生きたい」「仕事 より志事にしたい」そう思っていた時に、シンギング・リンに出会いました。 初めてシンギング・リンの音浴会に参加した時は気持ちが悪くなってしまったのですが、 家に帰ったら長男から「お母さんなんか全然違う。超超超超穏やかになってる」と言われました。

シンギング・リンは、研究者から「奇跡の楽器」と呼ばれています。豊かな周波数の倍音が生体の 細胞水に働きかけて、心と体を本来の周波数に調えてくれます。実際、セラピーや音浴会の後 、 お顔つきが変わって瞳がキラキラと輝かれる方が多いです。

護得久さん家でSmileりん♪HP https://www.smilerin-goeku-singingring.com/

*シンギング・リン…多くの周波数の倍音を同時に奏でることができる音楽楽器

〇由布市へ移住してよかったこと ・感動したことはありますか

由布川峡谷、男池、塚原高原、山などたくさんあって、どこを通ってもパワースポット。 朝日や夕日が山に沈む。それも贅沢だなと思います。 美味しい果物、旬のモノがちゃんと並んで、時期になるとちゃんとなくなる。来週買おうができない こともあるけど、その分季節を感じられています。子どもたちも旬のものは美味しいってよく食べますよ。 自分たちがつくった野菜が売れるのかなっていうくらいみなさんお家の近くで野菜をつくっていますね。 自給率が高いんだろうなと思います。

それから、近所の方もやさしい。「何かあったら言ってね」と声かけてくれます。沖縄の人も 温かかったけど、より一層温かさを感じてつながりが強い感じがしています。地域の方とのコ ミュニケーションを大切にしていて、沖縄のときよりも家族以外の人へ自分から声をかけることが 増えた気がします。

由布市は自然の豊かさもあり、それでいて車で少し走ると大型の商業施設もあって便利ですね。 移住や保育料、農業に関するサポートなども助かりました。

〇由布市へ移住して驚いたこと・困っていること・心配なことはありますか

庁舎の5時のサイレンには驚きました。娘が大泣きしましたね。

それから、家の周りでドローンが飛んでいて珍しかったので娘と見に行ったら農薬をまいていて驚きました。 最初は何をしているのかわからなくて…カルチャーショックを受けました。 除草剤もよく撒かれています。 慣行農法ではそれが普通だったのだと思います。農薬などを散布する日にちを教えてもらえたらなと 思いました。

〇お子さんたちへの質問:由布市で楽しいこと・不安なこと・つまらないことはありますか

咲人くん:沖縄の時からサッカーをやっていて、小学校の入学式の翌日ぐらいにサッカーに誘われたから、平日、土日サッカーをやっている。ほぼ毎週末試合をやってて、市外に遠征にいくことも ある。試合が楽しい。

晴紀くん:沖縄の方が良かったなとも思う。いとこが近くに住んでいたし、海でもよく泳いでいた から。それが楽しかった。朝から海水浴に行ってたし、お休みの度にいとこの家に遊びに行っていたから。

〇これからやりたいことはどんなことですか 

晋一郎さん:農業体験を広げていきたい。まずは、知り合いの家族に来てもらおうと思っています。 それから、ゆくゆくは畑の近くで暮らせる環境をつくりたいなとも思っています。先になると 思いますが。

笑子さん:DIYをしたいです。片づけが苦手なので、家を整えながら片づけがスムーズにできるよう にDIYをしていきたいなと思います。 あとは竹細工をやりたいです。先日、竹細工教室のみなさんと竹の滑り台をつくりました。 借りている畑の奥が竹林になっているので、整備しながらそこの竹も活用していきたいなと思っています。

移住のきっかけや移住後の暮らしについてたっぷりとお話聞かせていただきました。  

護得久家のみなさん、ありがとうございました!

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